■DATA 趣楽の家
所在地:呉市
家族構成:5 人(夫婦+子ども3 人)
敷地面積:299.41㎡ 延床面積:133.02㎡
1 階面積:84.27㎡ 2 階面積:48.75㎡
断熱性能:Q 値2.49W/㎡・K(※) 気密性能:0.76㎠ /㎡
設計:高橋工務店 施工:高橋工務店
※断熱性能は、UA値で計測する前の指標であったQ値で測定をしています。
瀬戸内海にも近い広島県呉市は、海と山の自然に恵まれた地域。その郊外に発展した町・焼山は標高200mにあり、冬の寒さが市内よりも厳しく感じられるようです。O様の家族が暮らす家も、周囲には緑があり、街並みもどこか穏やかさを見せる環境。京町家をイメージしたという外観は、どこか懐かしく、以前からそこに息づいていたような印象です。敷地は90坪の広い長方形に近い土地。北入りの玄関、南側の配棟という理想的な条件を備え、和と洋のいいところを、これからのライフスタイルになじませたいO様の要望も、実現することができました。ハウスメーカーの画一的な家が増え、昔ながらの伝統建築を知らない世代も生まれる中、改めて日本の文化や伝統建築を新鮮に思う、O様のような方も少なくありません。今回のこだわりも、平屋に見えるプロポーションや美しい格子を特色とする、京町家風の家づくり。この日本建築を生かした外観から、建物内の間取りを考えていったというO様。木と漆喰の自然素材を取り入れ、今の暮らし方にも合う断熱性能を設計した家は、日本人の知恵と美意識を住み良さへ生かすお手本と言えそうです。

目隠しとなる格子の奥には、自転車なども置ける空間を確保。上がり部分のスギ板が、石と砂の道を心地良く切り替える。夜になり照明が灯れば、玄関先と高い位置の窓がやわらかく光のぬくもりを見せ、昼間と異なる表情と印象美を楽しませてくれる
断熱・気密性能を高めた住まいでは、温まった空気や熱を外へ逃がす開口部がポイント。温められたり、熱くなったりした空気は高いところに溜まるため、階段上へ排熱窓が設けられています。窓は最小限の隙間で空気を排出できる横すべり窓。開けているときに雨が降り出しても、家の中に入り込みにくいのが特長です。暗くなりがちな階段では、採光を兼ねた窓にもなります。堅くて強いタモ材の手すりなど、階段上の見映えと機能性にもこだわりを配した家です。
和と洋のテイストが程良く調和した空間は、参考にしたい見どころがいっぱい。例えば照明やニッチも個性的な和モダンの玄関、扉で仕切らずに空間の奥行きを活用したキッチンパントリーなど、広さを無駄なく使えるようデザインされているLDKで目を引くのは、フチなし畳の和室コーナー。吹き抜けを生かして天井を高くして、開放感をだしました。古材を構造梁として使用し、日本家屋らしさを演出しています。また高断熱高気密なので、室温はいつもむらがなく、気持ち良く過ごせる家族が集まる場所となっています。和と洋が響き合うインテリアに、暖かい日差しが窓の形を描きながら入り込み、幸せな笑顔も想像させてくれる家です。

和室、リビングダイニングの延長線のようにつくったウッドデッキ。大きくせり出した 軒のおかげで、夏の強い日差しを遮り、冬は日射を取り入れてくれる。小上がりの和室コーナーは、天井に丸太の皮をはいだ梁を見せる趣向。リビング扉の格子、障子風のアクリル窓も、情緒と落ち着きを醸し出す



















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